Monthly Report No.423

マイ仙台暮らし

「岩崎彌太郎生誕之地」と
「三菱三綱領」

幹事 増渕多俊
(三菱地所)

東洋の海上王

本年2月に高知県安芸市に現存する三菱グループ創業者で初代社長岩崎彌太郎生家を訪れた。建坪約30坪茅葺きの平屋で、彌太郎だけでなく、二代社長彌之助、三代社長久彌も母屋の奥にある四畳半の小さな部屋で産声をあげた。生家の入口には、どっしりと構える彌太郎の銅像がある。右手を地平線に大きく広げて遠くを見つめるその姿は、幕末から続く諸外国の汽船会社等との激しい戦いを制して「東洋の海上王」の異名をとった勇姿そのものである。

志の高さとスケールの大きさ

今回は在仙三菱グループの5支店長で「東京・名古屋・大阪」を飛び越え生家を表敬訪問、芳名帳に記帳と言う目的であったが、到着して最初に目に入ったこの銅像を見て、一同その存在感に圧倒された。銅像なので、本当にこのような容姿であったか定かではないが、人間にとって如何に志を高く掲げ、困難な中でも行動し、結果に結び付けて行くことが大切であり、その実績が自然と外観イメージを形作っていくことを思い知らされたような気がする。

生家の中庭には、彌太郎が13歳頃に作った日本列島の石組がある。少年は「日本は我が庭のうちにあり」と言って庭を眺めていたそうで、13歳にしてその志の高さとスケールの大きさに驚かされた。

事業活動の究極の目的は社会への貢献

「志」ではないが、三菱グループ全社で共有する理念として「三菱三綱領」と言うものがある。彌太郎の甥で、彌之助の長男である四代社長小彌太が掲げた経営理念である。「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」の三つの言葉。英訳すると「パブリック」「フェア」「グローバル」となる。事業活動の究極の目的は社会への貢献であり、何事にもフェアプレーに徹し、全世界的宇宙的視野に立って事業展開を図ると言う理念。国内のみならず、激変する国際情勢や気候変動問題等、様々なことが著しく変化するこの時代にあっても十分に通用する共通理念だと思う。

彌太郎の銅像 彌太郎の銅像
彌太郎の生家(真ん中が筆者) 彌太郎の生家(真ん中が筆者)
日本列島を模した石組 日本列島を模した石組
(安芸市公式HPより)

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例会DIGEST

日本経済再生戦略と地方創生

株式会社経営共創基盤(IGPI)グループ会長 株式会社日本共創プラットフォーム代表取締役社長 冨山和彦氏

株式会社経営共創基盤(IGPI)グループ会長
株式会社日本共創プラットフォーム代表取締役社長

冨山和彦 氏

日本経済が停滞してから長い期間が過ぎています。しかし、経営共創基盤グループ会長の冨山和彦氏は、いまだに日本は高いポテンシャルを持っており、それを引き出すことが出来るのは地方の中堅・中小企業にあると主張します。地方の企業は100mを20~30秒台で走っている状態で、それは走り方を知らないからだと指摘します。誰もが生成AIを導入・活用できる時代にあって、地方こそ日本が抱えるピンチをチャンスに変えることができるとのこと。数多くの企業再生や経営改革に携わった冨山氏に、地方経済の実情と活性化のカギをお話しいただきました。

【冨山和彦氏 略歴】

1960年生まれ、東京大学法学部卒、在学中に司法試験合格。スタンフォード大学経営学修士(MBA)、ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役を経て、2003年に㈱産業再生機構設立時に参画しCOO に就任。07年経営共創基盤(IGPI)を設立し数多くの企業の経営改革や成長支援に携わる。㈱みちのりホールディングス(福島交通・茨城交通・岩手県北自動車・関東自動車等)取締役、パナソニック社外取締役、東京電力ホールディングス社外取締役。経済同友会副代表幹事。財務省、内閣府、文部科学省、金融庁、経済産業省など多くの政府関連委員を務める。近著に、「なぜローカル経済から日本は甦るのか GとL の経済成長戦略」「AI経営で会社は甦る」他多数。

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