Monthly Report No.435

マイ仙台暮らし

仙台市探訪

幹事 岡山 和裕
(日本銀行 仙台支店長)

週末の遠出と仙台市の観光地

週末の行動は人によって違うのは当然だと思うが、私の場合、どちらかと言うと、遠出することが多いので、他の皆さんよりも仙台市にいることが少ないと思う。

もちろん、青葉城址、瑞鳳殿、大崎八幡宮、秋保温泉、作並温泉、定義さんなどには行っているのだが、他の地域ほどトリビア的な場所には行っていなかった。このため、自分で「仙台市のことを知らない仙台支店長です」と言っていたぐらいだ(笑)。

なので、仙台市で面白そうなところを回ることにした。

まずは「地底の森ミュージアム」に行ってみた。ここは、小学校を作ろうとして、土地を掘り起こしたら、次々に遺跡が出てきて、とうとう旧石器時代の地層まで掘り進んだらしい。そうしたところ、旧石器時代の森林や焚き火、鹿のフンの跡まで出てきたとのこと。森林跡を残すため、乾燥しないような加工もしているのだ。もちろん、この当時のライフスタイルは現代と全く違うものだが、人類の生活の痕跡をみることができて、何とも興味深い。

マイ仙台暮らし 写真1

日本初の水力発電と三居沢電力所

そして、日本の水力発電発祥(1888年)の地が何と仙台市にあると聞いて、仙台平野にある「三居沢電力所(1910年~)」に行ってみた。

行く前に思った疑問は次のとおり。水力発電は水の高低差を利用して発電する訳だが、なぜ最初の水力発電所が高低差のできやすい山奥の河川ではなく、仙台平野に作ることができたのか。この疑問は行ってみて氷解した。

というのも、仙台平野を流れている広瀬川は蛇行しているので、蛇行している間に高低差ができるのだ。すなわち、川の蛇行の間の高低差によって、「川からの取水口」から「水を落とす場所」まで水を引っ張ってくるトンネルを、その分短くできるのだ。うーん、何とも奥深いではないか。

また、その水力発電所のある場所に紡績工場があったので、水力発電所を作る必要性があったということらしい。

しかも、110年以上前にできた、この発電所は今でも発電しているのだ。何とも「長寿」発電所ではないか。

マイ仙台暮らし 写真2

さらには、仙台市では1976年まで市電が走っていて、「仙台市電保存館」があると聞いたので、行ってみた。そうすると、かつて仙台市内を走っていた市電が3両保存されているほか、路線図や年表が展示されているのだ。

マイ仙台暮らし 写真3

そして、日本銀行仙台支店がある仙台市青葉区の「芭蕉の辻」の交差点まで市電が走っていたらしいという話は聞いていたが、それが本当なのか、何年まで走っていたのかを確認してみた。そうすると、「芭蕉の辻」線という名前で1944年まで走っていたと書いてあるのだ。

日本銀行仙台支店が開設されたのが1941年だったので、開設から数年間は通勤でも使っていたのだろう。そして、ホームページに載せている開設当初の当店の写真には、しっかりと市電が映っている(笑)。

マイ仙台暮らし 写真4

地元の歴史を再発見する楽しみ

こうした巡りを経ての感想。そこにはその時々の生活や経済活動があり、今と風景が違う場合もあれば、同じ風景の場合もある。

皆さん、地元の「四次元体験」をしてみてはいかがですか?

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幹事会だより

2024年5月22日

今月の幹事会では、西井代表幹事からの挨拶に続き、会員異動について審議を行い満場一致で承認された後、事務局より、後援名義申請(仙台秋保そばフェス 2024、学都 仙台・宮城サイエンス・デイ2024(第18回)、令和6年度仙台市ワーク・ライフ・バランスセミナー、第55回仙台七夕花火祭)について報告を行いました。その後、日銀岡山支店長より2024年4月の展望レポートに基づき、経済や物価の先行きについて発言があり、引き続いて県内の景気の現状等について意見交換を行いました。

例会DIGEST

新しい未来を作り出そう

三菱商事株式会社 デジタルイノベーションセンター長 平竹雅人氏

三菱商事株式会社 デジタルイノベーションセンター長
平竹雅人 氏

福島県会津若松市は、スマートシティ化に取り組んでいます。今回は、その地で三菱商事株式会社デジタルイノベーションセンター長として活躍されている、平竹雅人氏を講師としてお招きしました。平竹氏は、人口減少という課題をビジネスで解決することを、かねてから提言されています。日本の未来の縮図ともいえる地方で、需要を創出して収益をあげていく「自立分散型の共助社会」モデルを実現して、新しい時代への対応能力を高めていくことなどが必要とのことでした。また、答えがない問題がたくさんあり、「皆さんと一緒に考えていきたい」とも語られていました。

【平竹雅人氏 略歴】

94年三菱商事入社。アジアでのエネルギートレーディングに始まり、再生可能エネルギーなど多様な事業投資の経験を積む。世界銀行持続可能性開発局(カーボンファイナンス担当)、首相官邸内閣官房国家戦略室総理補佐(環境・エネルギー、外交・安全保障担当)、独国三菱商事企画業務部長などを経て19年から三菱商事デジタルイノベーションセンター長。一般財団法人竹田健康財団理事。成蹊大卒。スタンフォード大IUP、東京大学EMP修了、米国アイゼンハワーフェロー。義父は玉沢徳一郎元衆議院議員。

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会員総数359名(2024年6月5日時点)

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