年頭所感 代表幹事 小林 英文 image
 2024年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 昨年を振り返りますと、海外経済は各国中央銀行の金融引き締め策にもかかわらずインフレが長期化し、中国経済の減速や中東情勢の悪化など世の中における不確実性の高まりを感じた一年でありました。国内経済については、物価高や人手不足などが足かせとなったものの、新型コロナウイルスの5類感染症移行によりインバウンドも含めた観光需要が回復したほか、価格転嫁の進捗や政策効果の下支えなどにより企業収益や雇用所得環境が堅調に推移し、全体としては持ち直しの動きとなりました。
 宮城県では台湾大手の半導体工場の建設、旧電力ビルや東北学院大多賀城キャンパス跡地などの大型再開発プロジェクトの発表など地域に大きな経済効果が期待される明るい話題が相次ぎました。2024年度には次世代放射光施設の稼働や東北大への国際卓越研究大としての支援開始も予定されており、イノベーションやスタートアップの創出に向け、産学官金の連携強化の必要性が一層高まっています。
 また、昨年は記録的猛暑や海水温上昇など気候変動の影響を大きく受け、地球環境や経済・生活などの持続可能性を高める脱炭素やSDGsについての意識が浸透した年でもありました。スポーツの分野では3月にWBCで大谷翔平選手をはじめ東北ゆかりの選手も大活躍した「侍ジャパン」が3大会ぶりに世界一を奪還、春の高校バレーでも宮城県の古川学園高等学校が23大会ぶりの日本一に輝くなど、多くの感動を届けてくれました。
 こうした中、当会では7月に仙台市、株式会社経営共創基盤、当会会員でもある一般社団法人VENTURE FOR JAPANと「若者のチャレンジ促進による地域経済の活性化に関する連携協定」を締結。さらに今年4月から本格稼働を予定している「部活支援プロジェクト」の実施に向け、昨年12月に仙台市、仙台市教育員会と「部活動の地域移行及びスポーツ振興等に係る連携協定」を締結しました。今後も地域の社会課題解決を実現・実行していく経済団体として会員皆様で知恵を絞り、行動し続けたいと考えております。
 2024年の干支は「甲辰(きのえ・たつ)」であります。これは「急速な成長と変化、これまでの努力が実って夢が叶う」と解釈されております。本年が会員の皆様にとっても成長・開花となる素晴らしい一年となることを祈念しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。