年頭所感 代表幹事 小林 英文 image
 あけましておめでとうございます。2025 年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 昨年を振り返りますと、元日早々に能登半島地震が発生し、石川県を中心に大きな被害をもたらすなど、改めて災害対策の重要性を感じた 1 年でした。世界経済がインフレからの軟着陸を模索するなか、各国では総選挙などが相次ぐ選挙イヤーとなり、アメリカの大統領選挙では共和党のトランプ氏が勝利を収め、今後の経済政策や外交政策に注目が集まっております。国内においては、好調な企業業績などに支えられ、 日本経済は緩やかに回復し、日経平均株価は約34年ぶりに史上最高値を更新しました。また、金融政策面においては、日銀によるマイナス金利の解除、政策金利の引き上げが行われ、「金利のある世界」が到来するなど大きな変化の年となりました。10月には自公連立政権の石破新内閣が発足しましたが、その後の衆議院総選挙で政権与党が大きく議席を減らし過半数割れとなったことで今後の政権運営に不透明感が増しております。地元経済界においては、台湾の半導体製造大手 PSMC による大衡村への進出計画は実現しませんでしたが、今後も製造業などの企業誘致が継続される見通しです。また、次世代放射光施設「ナノテラス」の本格稼働や東北大学の「国際卓越研究大学」国内初認定といった研究開発分野をはじめ、地域の発展につながる材料も数多くあります。
 経済以外に目を向けますと、昨年は夏季オリンピックがパリで開かれ、宮城県 ゆかりの選手も大いに活躍し、日本勢は過去 2 番目に多い金メダル 20 個、総メダル 45 個とメダルラッシュに沸きました。また、アメリカのメジャーリーグでは岩手県出身のドジャース大谷翔平選手が前人未到の50(フィフティ)-50(フィフティ)を達成し、3 度目の MVP に 輝くなど日本人アスリートの活躍が私たちに勇気と感動を届けてくれました。
 こうした中、全国各地の経済同友会との会議やセミナーの場では、国内の人口減少に関する議題が多く取り上げられ、将来的な地方経済の衰退にかかる危機感の高まりを改めて感じました。本年は当会におきましても、地方創生への取組みの一環として、今後の宮城県内における人口減少という課題に対して、特に仕事や子育てに励む世代が住みやすく、働きやすいと思える街の環境整備に向けて行動してまいります。
 2025年の干支は「乙巳(きのと・み)」であります。二つの漢字の意味を合わせると「いかなる困難があろうとも、現状に安住することなく、新たなチャレンジが求められる年」と解釈することができます。本年が会員の皆様にとっても、挑戦を通して更なる飛躍を遂げる希望に満ちた一年となることを祈念しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。