年頭所感 代表幹事 西井 英正 image
 仙台経済同友会の皆様明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。年初にあたり、ご挨拶申し上げます。
 2022年はロシアのウクライナ侵攻による新たな東西分断からのエネルギー問題や資源価格の上昇、それに伴う様々な原材料価格の高騰、そして欧米のインフレ抑制のための金利上昇からの急激な円安、収束の見えないコロナ感染禍等、激動の一年だったように思います。
 明けての2023年ですが、ウクライナ侵攻の着地点は不透明だと考えていますが、「侵攻が常態化する日常」への対応を継続することになりそうです。むしろ年初の懸念は、中国のコロナ対策の変更ではないでしょうか。急速なコロナ政策の転換により、爆発的な感染拡大が懸念され、経済の回復を遅らせる結果となるような気がします。
 次に、欧米のインフレ対策で進んできた政策金利の動向と、金利上昇下での個人消費を中心とした景気の動向に注視する必要があると思っています。これだけ短期間に金利が上昇することで、住宅、クルマ、耐久消費財といった高額品販売の鈍化、インフラ投資他の公共投資の抑制等で景気後退局面となることを懸念しています。
 皮肉なことですが、景気後退で消費が鈍化すると、原油や様々な相場が軟化し、これまで上昇してきた原材料価格が抑制され、ドルやユーロが売られることで相対的に円が高くなる局面も想定されると思います。
 翻って国内に目を転じれば、全国旅行支援や入国緩和によるインバウンド増で、旅行や飲食需要は回復を見せ始めると思われます。内需に関しては、物価高が消費に及ぼす影響が懸念されますが、全般的に底堅い動きをするものと思われます。さらに相場の世界では卯年~辰己にかけて相場が上がる格言もあり、景気上昇への期待が膨らむかもしれません。
 12月19~20日の日銀金融政策決定会合における長期金利の変動幅見直しというサプライズで円は急伸しました。これまでの前提と違う局面と捉える必要があり、企業の為替、金利対応や投資政策等の姿勢の変化やスピードが求められると思います。
 仙台経済同友会としましては、昨年の所感でも触れたSDGsへの取り組みを進めながら、DX、AIといったツールを活用して企業活動の付加価値向上につなげていただける取り組みを進めると共に、各委員会活動の充実を図り、会員の皆様に価値のある活動をお届けできればと考えております。さらに、ここ数年行われていない視察についても、国内外を問わず実現できればと考えております。視察を行い、視野を広げ、会員同士の結びつきを深め、そして同友会の本分の一つである提言活動につなげて行ければと思います。
 本年も会員の皆様方の積極的な活動への参加をお待ち申し上げます。最後に、4月13~14日長崎開催の全国セミナーへのご参加をお願いして年頭の挨拶とさせて頂きます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。